FXファンダメンタルズ

2020年8月円高説と、これからのドル円相場

2000年以来、過去20年で円高となったのは15回ありました。

2020年は、新型コロナウイルスと米中の貿易摩擦と対立でドル円の下落の予想がたつというのが、多くのアナリストの考えるところでした。

果たして結果はどうだったでしょうか。

そして、8月の円高アノマリーはどうして起こるのでしょうか。

円高圧力の高まる3つの説

①米国債償還の円転圧力説

毎年八月というのは、もともと米国債の償還による資金返済と利払いが最も集中する時期。

ここでなにが起こっているのかというと、

日本人が米国の債券を買っていた場合、米国債を召喚したり利払いをもらったときにそれを円に買い戻す必要があるが、その際に一時的に円買いの圧力が高まる、というものです。

ただ最近は、ドル建てで支払われる債券の利払いについて、再投資を選択する投資家が多いためか、利払いの円転だけでは、巨大な為替市場にインパクトを残せるほどではない、そんな気がします。

②ヘッジファンドの換金売りが強まるのが8月

「45日ルール」というのがあって、投資家がファンドを解約し現金化を望む場合、各四半期末である3月、6月、9月、12月の45日前までに解約を通告しなければいけないのです。

ここで、9月決算の解約希望は8月15日までに依頼しなければならないので、8月中に海外ファンドを売って円に換金すれば、円高が強まる一要因になる、というわけです。

ファンドを売るということは、ファンドの投資先ポートフォリオに組み込まれている株式を間接的に売却すことも意味します。そのため、それによる株価の下落に伴うリスク回避的な考えから円高に進みやすいと考えられます。

③アノマリーと言われるだけのインパクトを与える事件は8月に

これまでもそうだったが、8月はマーケットにインパクトを与える不吉な出来事が起こってきました。

1971年ニクソンショック、1990年イラクのクウェート侵攻、1997年アジア通貨危機、1998年のロシア危機、2007年パリバショック、2011年日米国債夢上限問題、2020年新型コロナウイルス第二波到来・・・

心理的にはリスクを侵して買うよりも売って逃げろの意思がマーケットに反映されている気がします。

2020年の今後は、米中の貿易対立が、ドル円の相場の行方を握っているでしょう。

リスクオフの円買いがすすむとどうなるか

コロナパンデミックによる世界経済の不安や、米中対立による基軸通貨の揺らぎが今後もすすむなら、リスクオフの投資家心理から、一段と円買いがすすむだろうと考えます。

この円買いがすすんで円高に触れる可能性があるのは、日本の対外純資産残高が世界一だからである。大口の投資家を抱える日本では、外国通貨建てで株式を投資家が保有しているため、日本円へ換金する動きがすすめば、一気に円高へ傾く可能性がある。

直近でいえば、九州を中心に起こった豪雨災害(令和2年7月豪雨)では、生命保険会社が円が必要となり急遽外貨を円に換える動きが出ました。このように、あくまで個人投資家レベルではなく大口投資家のレベルでの話ですが。

結局のところまとめれば、

今後は、米国がバラマキ制作をしてドル安が進んでいることもふまえ、円高がすすむだろうとは考えます。ただ、株価が三月の時のような暴落に再び見舞われれば、資産のキャッシュ化によるドル高がすすむとも考えられます。