2020年8月28日、安倍総理辞任報道を受け、ドル円為替相場はその後4時間で1円の暴落を見せた。

日本国内経済の不安を助長する出来事を受け、相場は一方的な円売りドル買いを示すかと思われた。
しかし辞任報道の30分前から、sell the fact(噂を聞いてドルを売る)によってドル円相場は下落し始めていた。
今日は、安倍総理辞任報道という国内経済の不安を喚起する出来事にも関わらず、円が買われ続けた理由について考察する。
有事のドル買いから有事の円買いへ
もともと、世界経済に不安を巻き起こす出来事があったとき、安全資産、避難通貨としてドルが買われていた。
ドルは今も昔も変わらず世界の基軸通貨であるので、ドルという通貨は、その絶対的安全性を信頼した投資家の逃げ口となっていた。
しかしある時を境に、ドル買いは有事の円買いへとシフトする。
9.11同時多発テロ。
この日も、事件の前後で有事のドル買いが起きたかのように思われた。
しかしこの後アメリカは、数ヶ月に渡ってアフガニスタンへの報復を始めることになる。
これが、結果的にドルの信用度を下げるようになってしまった。
アメリカを含め武力行使のできる国というのは、政治リスクを孕んでいる。つまり報復手段として他国に戦争を仕掛けるようになれば、規模次第では世界全体の経済を揺らがしてしまう。
そこから、戦争をしない永世中立国のスイスフランや平和主義を法定にする円が買われるようになった。対外的な政治リスクが少なく、安全と言われるからだ。
日本円が避難通貨となる理由
日本円が有事の円買いと言われてから久しい。
今世界で紛争が起きたり、コロナパンデミックが今以上に広がったり、爆発テロが起きた時、避難通貨として日本円が買われるようになった。
安倍総理が辞職する報道がなされた時も日本円が買われた。果たしてこの理由はなんなのか?
それは、日本の対外純資産残高が世界一だからだ。
対外純資産残高とは、日本の投資家が、ドル建てやユーロ建てといった海外通貨の状態で保有している株式を含む金融商品の残高のことだ。(対外負債については割愛)
ここで、日本の大口の投資家というのは、日本だけでなく世界で事件が起きた時、とりあえず今保有している外貨建ての金融商品を、自国の通貨に換金しようとする。
つまり、ドルやユーロを売りまくって、全て日本円に変える動きがすすむ。
そして、一方的に円が買われることによって円高が進む。
これにより、今回の安倍総理辞任報道でも、急速に円高が進んだ、というわけだ。
これまでのことをまとめると、
コロナ第二波やオセアニアやアジアでの紛争やテロや起こる時、それは円買いの動きが一時的に発生し、日足で見たときに、円のCurrencyStrengthが強まるということだ。
FXでデイトレードをするトレーダーは、これを参考にできるかもしれない。
ちなみに僕は、OANDAのオープンオーダーと通貨の強弱チャートを参考に、最強の通過と最弱の通貨ペアを見つけ売買するようにしています。
よかったら参考にしてください。
ではでは!
